メールマガジン
2017.05.16
1142号 「やっぱり!トラさん」(5月15日)でのコメント
「FMおかやま」の標記の番組で、大要次のようにコメントしました。
① 北朝鮮が14日午前5時28分、また弾道ミサイルを一発、東北方面に発射。高度は2000km超で、30分間約800km飛んで日本海に着水した。新型のミサイルでICBMに近いのではないかと見られている。韓国の新大統領が就任し、中国が「一帯一路」の国際フォーラムを盛大に開いたこの時期を選んで発射したことは、極めて条件闘争的でありメッセージ性が高い。日本、韓国は直ちに厳重な抗議、国連の安保理も動き出したが、親北・融和派とされる文在寅大統領も安倍首相らと直ちに電話会談しこの問題で認識が一致したことを強調している。
② 北朝鮮に対し、国際社会は「圧力」をなおかけ続けなければならないが、もう一方の「対話」をどう進めるのか。これまで効果がなかった6か国協議はまだ継続なのか、米朝2国間の直接協議の条件をどう整えるのか。また、日本のミサイル防衛システムの再整備や敵基地攻撃能力保持の検討を急ぐことは緊急の課題だ。
③ 韓国大統領は、予想通り文在寅(ムン・ジェイン)氏が当選した。文氏は盧元大統領の最側近で左派として有名だが、今回は朴大統領の罷免に伴う大混乱の中の選挙で振り子の原理もあり用意も周到だったことから、若年層の高い支持を得て保守派の洪氏や中道野党の安氏を圧倒した。就任早々北朝鮮がミサイル発射、直ちに非難の声明を出したものの、「従北派」とされているだけに立場は苦しい。
④ 文氏は韓国史上初めて前大統領の罷免により生まれたことから当然に混乱を収束、国政を立て直す使命を持つ。しかし保革や世代間の分裂、雇用・格差問題など課題は山積、政権運営には保守系勢力の協力が不可欠だが、文氏でそれが可能か。