片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2015.07.09

990号 続・安保法制について思うこと

 安保関連法案の審議が衆院で90時間を超え、中央公聴会の日程も決まった。8日には民主党、維新の党が対案を提出、政府案との併行審議も始まる。60日間ルール阻止の動きも活溌化しているなか、私見を述べる。

  法案審議は濃密に進んでいるが、メディアの調査では依然説明が不十分が89割、今国会で成立しなくてもよいが67割、反対が56割だ。一方安保法制の充実は賛成が上回る。しかし審議する程、数字が悪くなるのは何故なのか。

  昭和34年の砂川判決、昭和47年の政府見解が今回の見直しの論拠だが、法理はそのままで結論は正反対のことが国民には判らない。安全保障環境の激変だけで正反対が説明できるのか。安保法制の見直し・強化は第一次安倍政権以来の宿題だが、何故その他の政権とは認識が違うのかも判らない。

  安保法制見直しは本来、憲法改正で行うべきだ。集団的自衛権の解釈などに私は違和感があるが、長い国会論議の中で有権解釈化して不文法体系が確立している。それを閣議決定のみの解釈改憲には自ずから限度がある。現行憲法9条は「自衛」「専守防衛」と解される範囲の限定的な行使しか認めていないと私は思う。

  集団的自衛権の新3要件は、言葉は多いものの抽象的でアイマイ、かつ歯止めもない。具体的な例を挙げてイメージを明確にし、外形標準を示すこと等が不可欠だろう。不確かなホルムズ海峡の機雷掃海だけを例示するのでは説得力がない。

  今、安全保障上最も不都合で急ぐことは何か。当面まず手当をすべきはグレーゾーン対策、領域警備法的なものが必要だ。法律の大好きなわが国で、それができていないのは各省庁の縄張り争いのせいだ、と私は疑っている。

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