メールマガジン
2014.05.09
875号 法人税改革と外形標準課税について
法人税実効税率引き下げについて、安倍首相は歴訪したヨーロッパで意欲的な発言を繰り返し、甘利経済再生相も「5年程度で20%台を実現」とまで踏込みました。首相から検討させると言われた自民党税調の野田会長は、慎重に対応としつつも代替財源について「外形標準課税は大事なテーマの一つ」と述べました。
私は、これまで予算委と総務委で何度も地方法人税改革を質問、もって①法人税の実効税率を国際標準並みに引下げることにより、国際競争力を強化しつつ日本への投資を誘導すること、②地方税制の応益性を高めながら、地方税源の偏在を是正し、景気による地方税収の変動を軽減することを主張して来ました。
具体的には、法人事業税の全面的な外形標準課税化と法人住民税・法人税割りの地方消費税へ振替えです。現在は、法人事業税については資本金1億円以上の企業に1/4の外形標準課税が課せられるとともに、とりあえずの措置として、地方法人特別税・譲与税化が、また法人住民税・法人税割りについては地方法人税・交付税原資化がそれぞれ制度化されて、まことに複雑です。
外形標準課税についてはシャウプ勧告を受け、昭和25年付加価値税が制度化され昭和27年1月から実施されることになったものの、結局流れて昭和29年に現在の法人事業税が創設されました。そして、私が総務大臣のとき法人事業税に外形標準課税の一部導入が決まり、平成16年から実施されました。
これから税制を考えるとき、私は外形標準課税の推進は不可欠だと思います。しかし「赤字企業も課税される」、「賃金への課税が雇用に悪影響を与える」、「中小企業に大きな負担となる」等々の批判があり、これをどう説得するかが勝負でしょう。
2016.07.09
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