片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2013.06.21

789号 「骨太方針」等の問題点について

 政府は、先だって「骨太方針」(「経済財政運営と改革の基本方針」)、「成長戦略」(「日本再興戦略―Japan is Back―」)、「規制改革」(「規制改革実施計画」)の基本3方針を閣議決定しました。その問題点を挙げれば、次のとおりです。

 ① 「骨太方針」は経済財政諮問会議、「成長戦略」は産業競争力会議、「規制改革」は規制改革会議と分かれて作業したため、整合性がとれていない。例えば、農業を成長戦略の1分野とし、2020年に6次産業化の市場規模を10兆円と想定しながら、「規制改革」では農地制度や農業生産法人の規制緩和が採り上げられていない。

 ② 「骨太方針」では、社会資本整備に民間資金の活用など財政再建を民間主体に転換しようとしているが、究極の国と民間との分担関係が明確でない。また、めざす社会保障として、「生涯現役」や「中福祉・中負担」を明記したことは評価するものの、それならば年金、医療等の制度設計をやり直す必要があるのではないか。

 ③ 「成長戦略」は実施項目の羅列(170以上)で、各項目に成果目標(数値目標)が定められているが、達成できる検証はしていないようだ。意欲だけの目標では、政策の信頼性が疑わしく、マーケットは失望しその結果が株価急落の一因となった。また、「成長戦略」では税制優遇、支援助成金、インフラ整備等、歳出を伴うが、財政再建との兼ね合いは付いているのか。

 ④ 「規制改革」により真の構造改革ができるかどうかに、「成長戦略」の成否は懸かっている。しかし、今回は、既述したように農業の規制改革はなく、医療による混合診療、市販薬のインターネット販売等の結論も今秋まで先送りされた。これらを含む抜本的な規制改革がなければ、成長戦略は発動しないと思われる。

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