片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2013.04.23

773号 アベノミクスの懸念と不安

 アベノミクスは快調です。円安・株高は、日銀総裁が自ら「異次元の緩和」と言う大転換もあって、とどまるところを知りません。円は1ドル=100円に限りなく近づき、ダウは410か月ぶりに14,000円を窺う勢いです。

 アベノミクスは期待先行であるにしても、日本の経済社会を久し振りに明るくし、日本人を元気にしたことは確かです。しかし、その今後については、次のような懸念と不安があると私も思います。

 ① まず、円安・株高の行方。株高はともかく円安がこれ以上続くと、生活コスト(エネルギー、食料等)、原材料コスト高となり、所得、雇用増とは当然タイムラグがあるので、恵まれる階層、業種、地域とそうでないところの格差が拡大する。

 ② 金融超緩和が実体経済の立て直し(実需)がないまま行われると、巨大な投機マネーが生じ、株式や不動産のバブルが発生する可能性が強い。

 ③ 昨年度補正予算と本年度予算を加えると公共事業は約10兆円で、景気にカンフル剤的効用はある。しかし、人員、資材は不足気味で、財源は建設国債。癖がつくと止められなくなるし、これまでと同じ弊害の再生産となる。

 ④ 新成長戦略は本命だが、過去8回やっても成果は出ていないし、今回も、具体性、即効性は乏しい。痛みの伴う思い切った規制緩和が求められるが、それができるか。「アベノミクス戦略特区」は良いが、地方が置きざりになる恐れがある。

 ⑤ 新成長戦略には、「国のかたち」「人づくり」が不可欠だ。そのためには地方分権改革と道州制導入、教育委員会制度改正等は避けて通れないのでないか。また、経済の豊かさだけでない「人間としての幸せ」も考えてみる必要がある。

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