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2013.03.18
763号 首相、TPP交渉参加を表明
安倍首相は15日夕、記者会見をし、TPPへの交渉参加を正式に表明しました。TPPを「アジア・太平洋の未来の繁栄を約束する枠組み」と位置づけ、交渉参加を「国家百年の大計」と説明しました。
そして首相は、TPP参加が「安全保障やアジア太平洋地域の安定に寄与する」と語りましたが、日米を基軸とした自由貿易圏作りは日米同盟を強化する効果は確実に期待されるところです。以降のマスメディアは、TPP一色の報道となりました。
TPPは、現在11か国が交渉の真最中で日本が参加国の同意を得た上で参加するのは7月上旬になりそうですが、首相は、「交渉力を駆使し守るべきものは守り、攻められるものは攻める。国益にかなう最善の道を追求する」と強調しています。
自民党は、首相の意向を了承しながらも、条件付きで、「守り抜くべき国益」として、①農林水産品の関税(コメ、麦、牛肉と豚肉、乳製品、砂糖など)、②国民皆保険制度、公的薬価制度、③食の安全・安心(残留農薬、食品添加物の基準、遺伝子組み替え食品の表示義務、輸入原材料の原産地表示、BSE基準など)、④簡保、郵貯、共済などの金融サービス業、⑤自動車の安全・環境基準、数値目標は受け入れない、⑥ISDS条項(投資家対国家間の紛争解決)に合意しない、を挙げています。この状況を見て、すでに複数の参加国からは強い牽制の声が上がっています。
さて政府は、TPP参加による経済効果の試算を公表しました。試算は関税撤廃の影響のみを対象とし、何らの対策を講じないことを前提としています。農林水産業の生産額は3兆円減るものの、消費拡大や輸出増加により全体でGDPを実質で3.2兆円(0.66%)押し上げるとしていますが、さて実際はどうなりますか。
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