メールマガジン
2013.03.09
760号 TPPをめぐる情勢について
TPPをめぐる情勢が風雲急を告げて来ました。2月22日の日米首脳会談において、「一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものでないことを確認する」という共同声明を発表しましたが、いずれも交渉の中で決まることで、例外を確保できる保証が付いたわけではありません。メキシコ、カナダは中途参加のため、決ったことの丸飲みを念書で要求されています。
米国からのTPP交渉参加への3つの条件のうち、牛肉は決着済みで、残すは保険(かんぽ生命)と自動車ですが、日米事前協議で妥協すれば、TPP交渉では農業等の弱い分野が取り残され、交渉のカードがなくなる恐れが農業関係者等で懸念されています。
自民党は、①政府が「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する、②自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標を受け入れない、③国民皆保険制度を守る、④食の安全安心の基準を守る、⑤国の主権を損なうようなISD条項は合意しない、⑥政府調達・金融サービス等はわが国の特性を踏まえる、の6項目が担保されることが交渉参加の前提と主張していますけれども、安倍首相は、①とそれ以外の項目は異なるとの認識を国会答弁で示しています。
自民党は、「交渉参加の判断とその時期について、党内の意見を踏まえて」という条件付きで安倍首相に対応を一任する意向ですが、首相はそれを受け、政府統一試算を国民に示した上で、3月中旬にも参加表明をするのでないかと見られています。参加表明があれば、それ以降の与野党の議論が一層活溌化することは間違いありません。
2016.07.09
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