片山とらのすけ

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2012.09.18

713号　30年代原発ゼロ・政府決定へ

　政府は、14日、関係閣僚によるエネルギー・環境会議を開き、今後の原子力政策をめぐり、「革新的エネルギー・環境戦略」を決定しました。その骨子は次のとおりです。

　①2030年代に原発稼動ゼロを可能とするよう政策資源を投入

　②運転は40年に制限し、安全性を確認した原発のみ再稼動。新増設はしない

　③核燃料サイクルは再処理事業に引き続き取り組む。直接処分のあり方などを関係自治体などと議論

　④高速増殖原型炉もんじゅは放射性廃棄物の減量研究の成果を確認

　⑤再生可能エネルギーの発電量は30年に10年の約3倍以上へ

　⑥原発立地自治体への支援措置を講じる

　政府がこの戦略で、従前の原発推進路線を転換、30年代原発ゼロを打ち出す一方、安全を確かめた原発の再稼動や使用済み核燃料の再処理事業の継続も明記し、原発の廃棄と維持の両方向の議論を併存する矛盾した内容となっていることを多くの識者は指摘しています。これに対し、野田首相は、「あまり確定的なことを決めるのはむしろ無責任な姿勢だ」と柔軟な対応を示唆、戦略が玉虫的であることを肯定しています。

　政府は、直ちにこの戦略を国家戦略会議に報告し閣議決定する予定です。引続き目標達成に向け、再生可能エネルギー拡大の工程表や、新たな温暖化対策を年末までに決める考えですが、今後諸々の論議をよぶのは確実です。

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