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2012.09.07
710号 維新八策と新党について
大阪維新の会が8月末にまとめた「維新八策」が、近々設立される新党の次期衆院選のマニフェストの基になると伝えられ、注目を集めています。中味は大胆な思い切った内容で、意気込みは判るとしても、実現性は大きく疑問符が付くものが並んでいます。以下、いくつか拾います。
① 首相公選制、参院の廃止検討、憲法改正発議要件の緩和等は、いずれも憲法改正を伴うものです。発議にすら現行は、衆参両院の3分の2以上の賛成が必要ですから、そう簡単には実現しません。下手をすると、言ってみるだけです。
② 衆院定数を240(小選挙区150、比例代表90)に半減することは、区割りが大変なうえに、人口の少ない地方の定数は極端に少なくなります。また、消費税の地方税化と地方交付税制度の廃止は、地方の財政力格差を拡大し、弱小自治体の財政運営を窮迫させます。いずれも地方は黙っていないでしょう。
③ 「脱原発依存体制の構築」「TPP参加、FTA拡大」「日本全体で沖縄負担の軽減を図る」等は原則論、抽象論ならば誰も反対はない。しかし、具体的にどう進めるのか、問題点をどう解消し、痛みをどう和らげるのか、その答えが必要なのです。
「維新八策」はマニフェストでなく理念、綱領だとするなら、それに合わせて、実現すべき政策を早急に提示することが新党として誠意ある態度でしょう。
さらに、この新党は党首は橋下大阪市長、幹事長は松井大阪府知事で、本拠は大阪市に置き、新党の下に国会議員団、大阪府議団、大阪市議団等が対等でぶら下がるという異例なスタイルとなります。国会内のことは国会議員団の代表や幹事長が行うとしても、それで政党として有効に機能するのか、正直に言って心配です。
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