片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2012.07.13

694号 消費税の地方税化について

 橋下大阪市長らの維新八策において、「消費税の地方税化と地方交付税の廃止」が打ち出され、関係者の間で大議論となっています。できた地方間格差は地方税で財源調整をするとの考えですが、それを含めそうは簡単に行かないでしょう。

何故なら、現行5%の消費税を地方税化し交付税を廃止しますと、本年度は地方としては、1%の地方消費税2.6兆円と1.18%分を含む地方交付税17.5兆円を見込み、それでは足りませんので不足分として将来の交付税で元利全額を償還してもらう臨時財政対策債という赤字地方債を6.1兆円発行していますので、総計26.2兆円の地方財源がなくなります

一方、消費税の5%分は13.2兆円ですから、差引き13兆円の財源不足が地方に発生します。これだけの財源不足が出れば、地方財政は破綻し地方自治体の多くは赤字団体に転落、対応不能に近い大混乱となります。

維新八策では、既述のように地方間格差は地方税で調整という考えですが、13兆円という財源不足を地方個別の税率引上げなどで対応できる筈はなく、また、現在のわが国の地方税制では水平的な財政調整の実行は不可能です。2年間で役人に新しい財政調整制度を作らせればなどという虫の良い話は通りません。

なお、消費税10%となれば、総26.5円ですから、それが入るとなれば交付税制度を廃止しても地方財政総体ではトントンになります。しかし、この場合、国、地方の社会保障の基幹的財源は何で手当てするのか、東京等大都市圏に集中する税収をどのように調整するのか、地方ごとのバラバラの税率や地方の税務能力等を別にしても、基本的な問題点は一向に解決されません。

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