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2012.04.13
669号 郵政民営化見直しとTPP参加
郵政民営化法改正案は、12日午後、衆院を通過、参院へ送付されました。民主、自民、公明3党の共同提出でもあり、自民党は党議拘束をかけましたけれども、若干の造反が出ました。しかし、参院でも可決され4月中には成立する見込みです。
この法案は、日本郵政グループを5社から4社体制に再編する等が内容となっていますが、最大の争点とされたのは、日本郵政が持つ「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の全株式を市場で売却する義務がなくなり努力規定にした点です。これにより、政府は日本郵政株を1/3超持って影響力を保持しますので、金融2社にも間接支配が続くことになります。
また、法案では金融2社は新事業ができるようになり、しかも2社の株式が50%以上売られれば、新事業は政府の認可制から届出制になります。とくに、2社が願望している住宅ローンやがん保険への参入が可能となり、届出制になればそれがより容易です。政府がバックの「暗黙の保証」を持ちながら、事業は民間企業と同じようにできるとなれば良いとこどりで、民業圧迫になるという見方です。
案の定10日、訪米中の玄葉外相に対し、米通商代表部(USTR)のカーク代表は、TPP参加を巡ってこの法案につき「保険業界や米議会が強い関心を示している」と懸念を伝えました。国の関与が残る企業相手では、日本市場で平等な競争ができないという強い批判です。
すでに始まったTPP参加の日米事前協議でも、重視する3分野として米国は「農業」「自動車」とともに「保険」を挙げています。この法案成立によって、日米のTPP参加交渉の大きな火種がまた一つ増えることは、間違いないでしょう。
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