片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2012.03.06

658号 一体改革と消費増税について

社会保障と税の一体改革については、与野党協議は行われず、野田・谷垣極秘会談はあったとされるものの、素案はそのまま大綱として閣議決定され、それに基づき関連法案が現在、策定中で、本年度中には国会に提出される予定です。

大綱については、党首討論を始め衆・参予算委等で喧しく論議されて来ましたが、いくつかの問題点が次のように指摘されています。

①まず、社会保障制度を将来にわたって持続可能、かつ、公平で効率的なものにするグランドデザインが明かにされていないことです。大綱には、確かに色んなテーマが採り上げられていますが、精粗も進度もバラバラで全体像が掴めない、何を何時までにどうやるのかも定かでない、これでは国民は納得も安心もできません。

②したがって、全体像を示した上で実現に到る道筋、ロードマップを明示し、そのために消費増税をして行く、5%はその第一段階だということを明言すべきです。端的には、社会保障における国民の負担と給付の関係、すなわち高福祉高負担か、低福祉低負担かについて方向性を示し、国民に選択を迫ることが必要です。

③次には、国民の負担のあり方、自助、共助、公助についてです。自助である自己負担と共助である保険料負担と公助である税金がありますが、そのあり方とベスト・ミックスをどうするかです。とくに、全世代対応型の社会保障制度への転換をめざすならば、現在、現役世代に過重とされる負担をどう見直すかでしょう。

今回の一体改革は、①~③の適確な答えがないまま、とにかく消費税率を当面5%上げたい、これまでの社会保障制度に係る財源不足の穴埋めをしたいという意図が露骨で前向きでない。これでは増税先行の改革だの謗りは免れないでしょう。

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