片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2011.11.25

630号 提言型政策仕分けについて

行政刷新会議は23日、「提言型政策仕分け」につき4日間の作業を終えました。事業仕分けとは異なり、目先のムダの削減から長期的な政策の見直しへ、との話でしたが、迫力ある提言はなく、政府の方針を是認する内容が多いのが残念です。

 野田首相は、近く関係閣僚に仕分けの結果を踏まえ、予算編成に当たるよう指示するとのことですが、仕分けに法的拘束力があるわけでなく、結果を予算を通じ政策にどう反映するかは定かでありません。首相自身財務相時代に、建設凍結となった朝霞の公務員住宅の仕分け結果を覆していますし、菅政権で早期導入を見送った電波・周波数オークションも今回の仕分けでは推進に逆転しました。

ともあれ、首相は来年度予算編成への論点整理を今回の仕分けに期待したのでしょうが、本年度予算の中で最大の社会保障費において、年金に物価下落分を反映する来年度からの減額を打ち出し、3番目に大口の地方交付税についても総額抑制を提言していますが、政治的に簡単にできるとは思えません。

 また、歯切れの悪い指摘も目立ちます。農業では「農家・事業者への直接的な支援への重点化」としていますが、看板政策である農家戸別所得補償との関係は不明ですし、公共事業も「新規投資を著しく抑制し、選択と集中を厳格に進める」としただけで、具体的な抑制水準はありません。

 肝心なことは言わず、従来の政府方針をなぞり、消費税増税に邪魔になることには触れないとすれば、思い切った政策提言などできるわけはありません。そもそも、政策を提言、実行し、それをチェックして行くのは内閣と国会の最大の任務の筈で、正統性も権威もない仕分け人に任せるような軽いものではないと考えます。

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