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2011.11.01
623号 TPP交渉参加について思うこと
10月31日から11月2日まで、衆・参本会議で行われた代表質問で、野田首相は、TPP交渉参加問題につき答弁で、所信表明と同じく、高いレベルの経済連携の実現と国益に合致する交渉の必要性は述べ意欲は窺わせながらも、それ以上は踏込まず、参加を明確にしませんでした。根強い反対、慎重論に配慮したものと思われます。
TPP交渉参加は米国の強い要請がありますし、自由貿易で最も恩恵を受けるわが国が早目に参加を表明し、国益につながるルールづくりに参画するという選択は確かにあります。そのことが日米同盟関係の強化に資するだけでなく、対中国、対EU等にも良い効果をもたらすことは間違いありません。
また、経済的に見て巨大な米国の力には多国間によるルールづくりで対抗する方が効果的という考え方もありますし、主権国家が一方的に押し込まれるとは思えないものの、交渉、協定署名、(国会での)批准というそれぞれの段階で意思表示できることを最大限利用する戦略も当然にあるでしょう。
しかしながら、国論を2分したまま、とくに農業再生の基本方針と対策を欠き、地域経済や食品の安全、医療、金融、労働等への影響を解明しないまま、早々に交渉参加を表明することに国民は強い懸念を持っています。政府はすべての情報を開示し、そのメリット、デメリットを徹底的に検証する義務があります。
また、アジアの強い経済成長力を取り込むと言いながら、中国、インド、韓国、台湾、インドネシア、フィリピン等が加わらないこと、多国間より2国間連携の方が国益に叶うという指摘があることも気になります。これらの疑問にも政府はしっかりと答える必要があります。
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