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2011.08.30
605号 野田新政権の課題
8月29日、民主党の新代表に就任した野田氏は、30日午後、衆参本会議で第95代、62人目の首相に指名されました。直ちに党役員、閣僚人事に着手しましたが、国政には課題山積、待ったなしの厳しい状況が待ち受けています。
それらを列挙すると、まず、①大震災のスピーディな復旧、復興とその財源確保です。財源として、歳出削減、公務員人件費見直し、国有財産売却等は行うとしても、それでは足りませんので、反対はあっても臨時増税を何時、どういう形で進めるかです。②原発事故への対応、とくに避難住民の早期帰宅の実現が図られなければならず、また、住宅や土壌等の除染も徹底される必要があります。
そして、③中長期的な財政再建を進めつつ、税と社会保障の一体改革に取組むことです。それにはご本人も言うように、一国財政主義に陥らず日本経済の復活を図ることが前提です。④円高対策も喫緊の課題です。タイムリーな為替介入や金融緩和と併せて、雇用の下支えや中小企業の資金繰り支援も忘れてはなりません。
さらに、⑤衆参両院の選挙制度改革です。次期衆院選前に、最大2.30倍となった格差是正のため、選挙区や定数などを見直すとともに、衆院80人、参院40人の定数削減をめざすことです。⑥外交・安全保障については、対米関係の立て直し、中国、韓国との関係改善とともに、国連総会、G20の首脳会談、APEC、EAS等の外交日程をこなしつつ、TPPへの参加問題にも結論を出す必要があります。
政策課題以上に重要なことがあります。それは、与党の挙党体制を確立した上で、与野党の濃密な連携を図るとともに、誤れる政治主導から脱却し、政・官を通じる新しい合意形成と協力のシステムを構築して行くことです。
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