片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2011.08.16

601号 GDP4~6月期・年率△1.3%

政府が15日発表した平成2346月期のGDP速報値は、物価変動を除いた実質で、前期(13月)比△0.3%、年率換算で△1.3%でした。3期連続のマイナス成長ですが、東日本大震災でサプライチェーン(部品供給網)の寸断など生産が大打撃を受け、輸出が大幅に落込んだことがその原因です。一方、名目GDPは△1.4%、年率で△5.7%と大きく低下、デフレ圧力がまだ根強いことを示しています。

3期連続のマイナス成長は、リーマンショックをはさむ平成2046月期からの4期マイナス以来です。ただし、設備投資(前期比+0.2%)や個人消費(同△0.1%)は比較的底固く、幅は市場予想(年率換算で△0.2%台半ば)より小幅でした。

今回は、海外経済の減速や国内の消費低迷など需要減少が契機だった過去のマイナスとは異なり、震災による生産の一時的な停滞という供給サイドの問題だけに、サプライチェーンは7月にはほぼ復旧、自動車や電機などは、すでにフル生産体制に移行しています。政府は、今後は輸出回復と復興需要を2本柱にし、年後半にはわが国経済を回復軌道に乗せるとしています。実際に45月に前年同月比2桁減だった輸出は、6月には同△1.6%まで持ち直しました。

しかし、この見通しには問題があります。欧州の財政不安拡大や米国の国債格下げショックと景気失速懸念、さらには1ドル=76円台まで高騰した歴史的な円高は、輸出主導の景気回復への大きな障害となるほか、原発事故に伴う電力不足の長期化もまた、足かせの一つです。

わが国経済の今後のV字回復には、政治の強いリーダーシップのもと早急な予算編成や適確な政策対応が不可欠ですが、果して、それができるでしょうか。

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