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2011.06.14
584号 国と地方の消費税配分について
政府の「社会保障と税の一体改革」の議論で6月20日の取りまとめを前に、消費税率引き上げ後の税収配分を巡り、国と地方の間の綱引きが激しくなって来ました。20日までにまとまるかどうかも予断を許しません。
新たに法定された「国と地方の協議の場」の第1回が13日に開催されましたが、その場で地方側は、各自治体が独自に地方単独事業として行っている社会保障サービスが消費税を充てる対象から外されたことに猛反発、これに対し政府は地方代表を交えた一体改革の分科会を新設し、修正協議を行うことを地方側に約束しました。
現在、消費税収のうち国に配分されている56.4%(したがって、地方の取り分は43.6%)は、基礎年金、高齢者医療、介護の「高齢者3経費」に充てることが定められていますが(地方分は使途は自由ですが、社会保障関係経費の約4割は地方負担です)、今回の案は、消費税を社会保障目的税化した上で、配分対象に若年者の医療や少子化対策も加えた「社会保障4経費」とするものです。少子化対策は、待機児童の解消や幼稚園と保育所と統合する「幼保一体化」などが主な施策で、高齢者のみでなく若年者にも配慮し、バランスをとった形にしています。
ただ、問題は、この4経費とも国庫補助事業のみを想定し、本年度で約7.7兆円と見込まれる地方単独事業を含まない点で、地方側は当然のことながら猛反発、地方単独事業には、公立保育所、予防接種、がん検診、乳幼児医療費等極めて公共性の高いものからバラまき的なものまであり、線引きは難しいところです。
しかし、地方側の言い分をしっかり聞いて、その合意を得なければ、自治体が担っている殆どの社会保障サービスの実効が上がらなくなることは、確実です。
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