片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2011.05.09

574号 浜岡原発の全面停止を要請

菅首相は56日夜、浜岡原発の全ての原子炉の運転停止を中部電力に要請したと発表しました。要請は、命令や指揮でなく事実上のものですが、中部電力は首相の要請であることは受けとめつつも、結論は持ち越しました。

浜岡原発は、現在、1号、2号機は運転終了で廃炉手続中、3号機は点検のため運転停止中ですが、一応7月に再開を予定、4号、5号機は運転中で、国の基準を守っているこれらについての首相の停止要請は、全くの異例措置です。

首相は、停止要請の理由として、静岡県を中心とした東海地震の発生確率が極めて高い中で、防波壁の設置など津波対策強化の必要性があるうえに、国民の安全、安心や重大事故が発生した場合の甚大な影響を考慮したことを挙げています。

浜岡原発については、かねてから論議の的の一つで、国会質疑でも何度も採り上げられ、地元の知事、市長らも安全性についての危惧を表明しており、今回の要請は一つの決断であることは確かです。

しかし、やはり次の諸点、すなわち、①今回の要請が政府部内で総合的な観点から熟議された形跡はなく、地元との事前の調整も不十分で、例によって首相の思い付きのパフォーマンスである疑いが強いこと。

②こういう決断には、今後のわが国のエネルギー政策全般をどう考え、そのなかで原子力発電をどう位置付け、浜岡以外の原発についてどう扱うのか、の基本方針が必要だが、それが現時点ではまとまっていないこと。

③製造業の一大集積地である中部電力管内の電力需給、とくにピーク時の夏場への対応は支障が出ないか、また、これに伴うわが国全体の電力確保についてはどうか、の十分な検証がないこと、等が気になります。

 

 

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