片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2010.11.05

521号 TPP交渉への参加について

民主党は、4日、TPP交渉について、「情報収集のための協議を行い、参加、不参加を判断する」というTPP推進派、慎重派の両方に配慮した玉虫色の方針を盛込んだ提言をまとめ、政府に提出しました。

政府は、提言を踏まえ、TPPを含むEPAに関する基本方針を9日の閣議で決定し、首相は13日の横浜・APEC首脳会議で協議への参加を表明する見通しです。101日に菅首相が所信表明演説で、TPP交渉への参加を検討すると唐突に述べたことから始まった与野党、官民を巻込んだ大騒動はひとまず先送りとなりました。

TPPとは、Trans-Pacific Partnershipの略称で、丁寧に訳せば「環太平洋戦略的経済連携協定」という長い名前になります。平成18年にシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの4か国のFTAで始まり、平成20年に米国、オーストラリア、ペルー、ベトナムが参加を表明、本年3月から拡大交渉が開始され、本年10月にはマレーシアも参加し、現在9か国で交渉中です。米国は来年11月、米国で開かれるAPEC首脳会議で交渉の妥結を目指しています。

先行4か国のFTAは、サービス貿易、競争、知的財産、人の移動等を含む包括的なもので、物品貿易は原則として全品目、即時又は段階的な関税撤廃ですが、米国の参加により、原則全品目撤廃は変化する可能性もあると言われています。

なお、新規交渉参加には、現在交渉中の9か国の同意が必要なうえに、特定分野の自由化を予め除外した形での交渉参加は認められず、わが国が参加するとすれば、結果として農林水産業は崩壊し、関連産業を含む地域経済は大打撃を受けることは必至です。その手当が、菅政権でしっかりできるという保証はありません。

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