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2010.10.15
515号 日中首脳会談と尖閣ビデオ
現在、参院予算委で代表質問が行われ、その論戦の最大のテーマの一つが依然として尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件ですが、フジタの社員の全員釈放などこじれた日中関係も、どうにか収束に向いつつあるようです。
10月28日から30日までベトナム・ハノイで開かれる、東南アジア諸国連合・日中韓(ASEAN+3)首脳会談に合わせて、菅首相と中国の温家宝首相による首脳会談を行うこともその一つで、日中両政府は大筋で合意したと伝えられています。
10月4日、アジア欧州会議(ASEM)が開かれたブリュッセルで、両首相は会談しましたけれども、どういう仕掛けなのか、両首相が王宮の廊下でたまたま出会った形で側の椅子に座り、たったの25分間対話、日本側は中国語通訳を同行しておらず、中国側では正式な会談と位置づけていないという異例のものでした。
ハノイの首脳会談は、悪化した日中関係の大きな修復の転機になりましょうが、現在、政府・与党が気にしているのは、この事件を撮影したビデオの国会提出についてです。衆院予算委は13日に国政調査権に基づき、ビデオの提出を那覇地検に要求する議決を全会一致で行いました。ビデオは、海上保安庁が撮影し、事件を捜査している同地検が保管しています。
菅首相など政府・与党は、検察当局がきちんと判断してくれると他人任せの答弁ですが、中国側に与える影響を慎重に考えていることは確実で、ビデオを提出しても、一般公開しないことを検討しています。私は、早い時期から中国に日本の毅然とした姿勢を示すためにも、ビデオの提出や公開は当然のことだと考えて来ました。
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