片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2010.04.09

466号 NPO支援税制について

 政府税制調査会は、48日、認定NPO法人への寄付税制に係る中間報告をまとめました。報告書は、「NPOに対して寄付しやすい環境を整備する」と発言して来た鳩山首相の意向を受けたもので、NPOへの寄付を拡充し、今後とも充実した公共活動を担ってもらおうという狙いでしょう。

 報告書のポイントの第一は、寄付額に応じた一定割合を所得税から直接差し引く「税額控除」を導入し、現行の所得から寄付金額を引いて課税する「所得控除」との選択制にするという点です。控除割合によっては、税額控除の方が減税額が大きくなりますし、はるかに直接的で判り易いことは確かです。

 ポイントの第二は、認定要件を緩和して税制優遇の対象となるNPOを増やすという点です。認定テストの基準の緩和や仮認定制度、事後チェック制度の導入とか、認定機関を国税庁から地方への移管を検討するなどは、まさにそれです。現在、約4万あるNPOのうち、国税庁の認定を受けたNPOはたったの約120です。

 ただし、認定要件を大幅に緩めれば脱税などの不正行為の温床となり、景気低迷で落ち込む所得税収がさらに減少することになります。また、公益性の定かでないNPOが税制上の優遇措置を求めることなどへ根強い批判もあります。

 「小さな官、大きな公」の観点からすれば、福祉、医療、環境、子育てなど公的分野でNPOが果たす役割は大きく、その育成と強化は急務としても、数多いNPOの中には、紛らわしいものも少なくなく、認定NPOの線引きをどのようにし、どこまでの支援とするか、年末の税制改正での具体案づくりは、そう簡単ではないと考えます。

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