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2010.03.05
456号 中国の国防費の伸びについて
国際社会でいつも論議をよぶ中国の国防費の伸び率が、平成22年は前年実績比7.5%増の5321億元(約6兆9000億円)になることが、政府当局によって発表されました。中国の国防費は、平成元年から21年連続で2桁の伸び率を記録し、問題視されていましたが、本年は22年ぶりに1桁にとどまることになります。ただし、昨年3月に発表された平成21年当初比との比較では10.7%の増加です。
中国の国防費の実態は、かねてから定かでなく、新型兵器の研究開発費等を入れた実質額は公表された額の2~3倍あるという見方もあり、弾道ミサイルの迎撃システム整備などは宇宙開発費の方に含まれていると言われています。国会審議など民主主義的な手続きがないだけに、詳細は不明であり、こうしたことから、中国の軍備拡大の志向が変化したという意見は少数派です。
本年、国防費の伸びが緩やかになった背景には、ミサイル駆逐艦や潜水艦、地対空ミサイルなどのロシアからの購入が一段落したことやロシア戦闘機のライセンス生産もほぼ終了したことによるとの話です。そして現在は、自主開発に重点が置かれているので、膨大な関係経費が、意図的に国防費以外に計上され、国防費の伸びを抑えているというわけです。
また、これまでは中国は空母建造などを含む海空軍のハイテク化を全面的に推進しており、今後も実質的には米国を念頭に太平洋を見すえた軍備増強を続けて行くことは間違いなく、沖縄基地問題は、そういう視点も加味して総合的に検討される必要があることは言うまでもありません。
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