メールマガジン
2010.01.26
445号 わが国の出生率向上のために
わが国の合計特殊出生率(以下「出生率」といいます)は、昭和50年に2を割り込んで以降、低下傾向を続け、平成17年には1.26となりましたが、平成18年からは上昇に転じ、平成20年には1.37にまで上がりました。
一般論として、出生率の低下は、人口の全体的な減少と高齢人口割合の上昇を引き起こします。人口の減少は、労働力、購買力など経済社会活動の縮小をもたらして活力をなくし、高齢化は、医療・年金など公的負担を過重にして財政を悪化させ、わが国経済と国民生活に大きなマイナス効果を与えるとされています。
出生率に影響があるのは「景気」と「政策」だという説がありますが、しかし、景気とはあまり関係がないようです。景気が悪くなれば、出生率も下がるような気はしますが、特別な因果関係は証明されてはいません。そういう意味で、現在の国際的な不況と各国の出生率の関係を丁寧に検証したら面白いと思います。
政策の方では、鳩山政権は、子ども手当の支給や高校の実質無償化を打ち出しました。とくに子ども手当については、効果に様々な見方があるものの、少子化対策としてプラスであることは確かでしょう。ただし、この支給額や支給方法がベストかどうかについては、疑問があります。
今後の少子化対策としては、女性の就労環境のさらなる改善など色々ありますが、とりわけ、急がねばならないのは保育所の拡充です。登録されている待機児童数だけでも約2万5千人、現在約210万人の保育所定員を10年後には倍増し、保育所整備の各種基準を地方自治体の裁量に任せること位は是非、やらなければなりません。
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