メールマガジン
2009.12.11
432号 森林・林業の現状と対策について
私を囲む森林・林業についての懇談会があるため、これらを少しだけ勉強する機会を得ました。その結果、「山の国」「木の国」と言ってよいわが国の森林・林業は危機的な状況にあり、このままではジリ貧、壊滅の危険性すらあることを知りました。
わが国の森林面積の約4割は人工林、その1035万haのうち、スギが43%、ヒノキが25%です。森林の総蓄積は増加を続け44億㎥。人工林は、9齢級(45年生)以下が6割以上、保育、間伐等の手入は必要なものの、今後、利用可能なものが増大します。
保有規模からすれば、小規模林家が圧倒的で不在村者が24%を占め、自ら施業や経営ができない者が増加。林業労働力は減少を続け、昭和55年の17万人から平成17年には5万人へと3分の1以下となりました。木材生産は過去最高の昭和55年の2割まで低下、ただし、栽培きのこ類は横ばいです。
わが国の木材需要量は、ほぼ1億1千万㎥の水準でしたが、平成13年以降9千万㎥に低下して推移、国産材供給量は平成15年から増加に転じたものの木材自給率は24.0%、木材価格は直近は下げ止まり、むしろ外材の価格が高くなっています。
これらの現状への対策は、結論的にまとめれば、①林業生産基盤、とりわけ、林道、作業路の計画的な整備、②高性能林業機械や省力施業技術等の導入によるコスト削減、③都市に住む若年者のIターンを中心とした「緑の雇用」等の推進、④森林組合等による提案型施業の普及、定着ということに盡きますけれども、これらに要する財源の調達をどうするかが大きな課題です。
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