片山とらのすけ

おおさか維新の会

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2009.10.13

415号 東アジア共同体構想について

 先日、北京で、鳩山首相にとって始めての日中韓首脳会談が開かれ、アジア外交への本格的デビューとなりました。中国は温家宝首相、韓国は李明博大統領が出席しました。この会談で北朝鮮の核問題に関する6か国協議の再開に向けて協力することや長期目標として東アジア共同体の検討などを盛り込んだ共同声明が発表されました。

 共同声明には、安全保障交渉を強化しながら、防衛、軍当局間の交流と協力の推進、公平で開放された国際貿易投資システムの支援なども唱われ、さらに日中韓のFTA交渉の進展に関し、来年の早い時期に3か国の投資協定を成立させることを確認、12月にコペンハーゲンで開かれる気候変動枠組み条約のCOP15の成功に向け互いに連携して行くことでも一致しました。

 それらはいずれも、これまでの流れにほぼ沿った内容ですが、注目すべきは、やはり、鳩山首相が提案した東アジア共同体構想です。鳩山首相は冒頭の挨拶の中で米国依存からの脱却とアジア重視への転換を強調し、その一環としての提案であることが明らかになりましたが、中韓も一応は歓迎の意を表して受入れ、共同声明に入ったのは一定の意義があったと思われます。

 しかし、この構想実現の雰囲気があるわけでなく、構想の内容も定かでないうえ、今回の会談でも踏み込んだ議論はありませんでした。また、米国は警戒の念を持つことは当然に予想されます。もともと3か国は隣国ですが、それぞれ歴史的背景や事情が異なり、必ずしも安定した関係にあるとは言い難く、今後色んな分野で、実績を積み上げる努力がなければ、進展はないと考えます。

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