メールマガジン
2009.09.07
405号 自民党の野党担当能力について
ついに、民主党中心の新政権が成立することとなり、そのあり方と今後が盛んに論じられる一方、野党となった自民党のこれからについても様々な論議が出ています。先だっても、ある全国紙の論説にあった、今の自民党に果たして野党担当能力があるのかと問う一文が記憶に残りました。
自民党は、かつて1度だけ、平成5年8月から約10か月間、野党になった経験があります。私は当時、参院予算委理事で、予算委を舞台に、細川内閣、羽田内閣の攻撃の先頭に立ちました。衆院予算委の深谷、野中理事らとの連携プレーで、細川内閣を退陣に追い込み、羽田内閣はたったの2か月で、総辞職となりました。その後、自社さ3党は村山連立内閣を立ち上げ、自民党は直ぐに与党に復帰したのです。
しかし、2回目の野党となる今回は、あのときと大きく事情が違います。すなわち、①衆参両院ともに自民党は第2党で、とくに衆院では、民主党一党で308という圧倒的な数を有していること、②連立政権と言っても、参院の数の補完のためで、単独政権に近く、内閣、与党とも求心力があること、③政策も民主党のマニフェスト中心で、1~2の例外を除き、内部対立の可能性が低いこと、が前回と異なるうえ、細川政権等での学習経験があるだけに、まず、4年間政権をしっかりと確保する覚悟と思われます。
注意すべきは、あの脆弱な細川政権時でも自民党からの脱落が相次ぎました。さて、今回はどうなるかです。さらに、自民党は野党として国政選挙を戦った経験はありません。来年夏の参院選挙が野党として初の選挙となります。そして、この厳しい選挙を勝ち抜かない限り、自民党の前途に明るい展望が開けないことも確実です。
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