メールマガジン
2009.05.29
376号 「闘う」全国知事会について
5月18日、東京都内で開かれた全国知事会議で、東国原宮崎県知事と橋下大阪府知事が、次の総選挙で支持する政党を知事会として決めるべきだとか、今の知事会のやり方では分権改革は進まないとかの発言をし、両知事とも露出度の高いタレント系知事ですので、それがマスメディアに大きく報道されました。この日の会議で、無投票3選となった会長の麻生福岡県知事も、これらの発言には理解を示したと伝えられています。
私が総務大臣時代、岐阜県高山市での全国知事会議に招かれ、会場廻りに「闘う全国知事会」と書いた旗差物が林立しているのを見て、当時の会長の梶原岐阜県知事に、闘う相手は誰かと聞いたところ国という返事、すかさず、私もかと聞き返すと、片山大臣は味方だと言われて大笑いをしたことがありました。
国と地方自治体、とくに都道府県は、利害が共通するところと相反するところがあり、相反すれば対立するのは当然で、これから本格的な分権改革を進めるとすれば、国に対し地方が対立し、「闘う」ことは避けて通れないでしょう。しかし、例えば、当面する地方出先機関の改革や直轄事業負担金の見直しはどうか、提案や議論はあるものの、全国知事会として完全な意見統一のうえ、強力に闘っているとは言えず、したがって現時点ではまだ具体的な成果はみえておりません。
都道府県はそれぞれ経済環境や財政状況が違い、各知事の政治基盤も異なっていますが、全国知事会としては、それを乗越えて徹底した議論により合意を形成し、一体として闘わない限り、分権改革も、当面の課題解決も絵に描いた餅に終わると考えます。
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