片山とらのすけ

おおさか維新の会

メールマガジン

一覧はこちら

2009.04.21

365号 個人資産の相続について

 今回の新経済対策の策定に当って、注目すべきことは、高齢者の保有する個人金融資産の活用が言われ、その一つとして若い世代への生前贈与を活発にするため贈与税の軽減が採り上げられましたが、一部金持優遇との批判もあり、結局は住宅取得に限って非課税枠が従来分に5百万円上乗せされることで決着しました。また、かねてから論議のあった高齢者のタンス預金を引き出すため、無利子で相続税非課税の国債を発行する案も検討されましたが、難点多く見送られました。

 何故、このような議論なのか、日銀が3月末に公表した統計では昨年末時点の個人金融資産は1434兆円に達し、その6割以上が60歳以上の高齢者に保有されていると見られること、また、相続で移転される資産規模は年間約50兆円位で今後拡大されるとしても直ちに大幅にとはならないこと、があるからです。

 そして、親から資産を相続する「相続年齢」を推計したところ、父親から相続するときは長子が4650歳、母親のときは66歳以上で、この時点で両親の資産がすべて子世代に移ることを考えると、わが国の個人資産の大半は、60歳以上で循環しているわけで、経済全体のなかで個人資産の利用効率が良くないことが判ります。

 遺産に対する考え方について見ますと、日本では、もともと遺産を残そうと予定するよりも、「余れば遺産として残す」と考える人が70%、残す場合でも、子に「均等に」が49%で最も多いにしても、「面倒を見てくれる子に多く」が32%と3分の1を占め、アメリカと大きな差違を示しています。さて、これからどう変わって行くのでしょうか。

ページトップへ