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2009.04.10
362号 新経済対策15.4兆円について
政府・与党は、4月9日、財政支出(いわゆる真水)15兆4千億円、事業規模56兆8千億円とする過去最大の新経済対策をまとめました。これは、約10年前の金融不況時に小渕内閣が出した対策の2倍の規模で、その発想は、戦後最悪の不況による経済の底割れ回避のため、本年度後半までは平時の財政原則・経済原則にとらわれず、ロンドンで決めたG20・首脳宣言のいう財政出動強化を行おうとするものです。
その中味は、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫への追加出資など金融対策が3兆円、羽田空港の滑走路延伸などインフラ整備で2兆6千億円、再就職支援や派遣切り防止など雇用対策に1兆9千億円、がん対策の研究開発や子育て支援の拡充などに2兆円、さらに、公共事業の地方負担分に充てられる臨時交付金など地方自治体関連に2億4千億円が盛り込まれ、贈与税の非課税枠の拡大など1千憶円規模の税制改正も予定されています。
また、株式市場安定化のため、政府が市場から株式を買い取る仕組みの整備を急ぎ、政府保証付きの買い取り枠を50兆円まで拡大することも決めました。
新経済対策に係る補正予算案は、大型連休前に国会に提出される見込みですが、問題は財源で、財投特会の準備金約3兆円と経済緊急用予備費1兆円以外の10兆円余りは追加の国債発行で賄うしかありません。これにより本年度は新規国債発行額は40兆円を大きく超え、過去最悪の状況となり、長期金利の上昇など副作用も懸念されています。バラマキと言われかねないこの新対策には、将来の財政健全化に向けたしっかりした対応をセットにしないと、国民の不安は解消されないと考えます。
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