メールマガジン
2009.04.06
361号 北朝鮮のミサイル発射について
北朝鮮は、4月5日の午前11時半頃、人工衛星打ち上げとして事前通告していた多段式の弾道ミサイル1発を発射、ミサイルは秋田県西方の日本海に1段目を落とし、日本のはるか上空を通過しました。自衛隊は、これまで開発して来たミサイル防衛(MD)システムを初めて活用し迎撃態勢を敷きましたが、迎撃は見送り、米軍との連携で探知や追尾をし、それには成功したようです。国内に被害はありませんでした。
政府は北朝鮮に対し、国連安保理事会の決議違反として厳重に抗議し、安保理は日本の要請を受け、5日午後3時(日本時間6日午前4時)から3時間緊急会合を開きましたが、対応について結論は出ませんでした。各国で温度差の違いがあるうえに、中国などが北朝鮮の主張に一定の理解を示しているからです。
米軍は、北朝鮮が発射はしたけれども軌道に入った物体はないとして、北朝鮮がいう「人工衛星の打ち上げ」には失敗したとしていますが、北朝鮮の狙いがミサイル技術の向上、何よりも到達距離を伸ばすことにあり、それには成功としたと思われます。
国際社会が北朝鮮の発射強行を止められず、安保理も直ちに厳しい対応がとれないとすれば、北朝鮮をいよいよ増長させるだけであり、まともに脅威を受ける日本の姿勢が今まさに問われています。総連の資金凍結など北朝鮮への独自制裁の強化はもとより、MD技術開発など抑上防衛力の充実、日米安保条約の見直し・補強、国際世論の一層の喚起など、あらゆる努力が早急に検討されるべきでしょう。
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