メールマガジン
2008.12.26
333号 渡辺議員の造反劇について
12月24日の衆議院本会議で、民主党提出の衆議院解散要求決議等に自民党の渡辺喜美議員が賛成し、マス・メディアの大きな話題となりました。
早期の解散・総選挙を主張し、二次補正を先送りした麻生政権への批判を強めていただけに、渡辺氏がこの決議案にどういう対応をするのか注目されましたが、民主党が出した案であるうえに、党議拘束がかかっていて欠席か棄権かと見られていたところ、たった1人賛成という明白な造反を行いました。
しかし、考えてみると、渡辺氏がはっきりした態度をとらなければ言行不一致と言われるし、もともと目立つこと、メディア、とくにテレビに露出することが大好きですから、ここはメディアが最も喜ぶ造反がベストという選択になったのでしょう。
25日はテレビ出演4本で、造反の正当性を訴える渡辺氏の得意や思うべしです。
本来は離党すべきですが、自民党に居るからメディアが面白がってくれることもよく判っています。
自民党にとっては、造反はないのが最善ですが、もしあるなら、同調者が出そうにない一匹狼の渡辺氏がまだマシだということでしょうし、民主党にしてみれば決議案が与党の一致結束で否決されれば逆効果なのに、造反者が出て麻生政権がダメージを受けたことは万々歳というところです。
それぞれに消極的なメリットがある奇妙な造反劇でしたが、自民党執行部が渡辺氏の処分を2番目に軽い「戒告」にしたのは、ここは騒ぎ立てない方がよい、どうせ拡がらないのだから、厳しい処分でメディアが大騒ぎし、かえって渡辺氏が殉教者になり、虚像ができれば厄介なことになると判断したと思われます。
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